FC2ブログ

【徒然なるままDIARY】

映画、音楽、写真(カメラ)、旅行、絵画、オーディオ等…作者「NOBU」の興味があることを書きます。

築地の食

 旧いファイルを見ると、こんなことを書いていたか…と少し面白がる。

 懐かしいので再掲します。



 本屋に寄ると、グルメ本が店頭にあふれている。そりゃあ、おしいだろうさ。極上食材を、丁寧に調理するのだから。値段はですね、この内容で一人1万円…お手頃うんねんとある。おいおい、高くてうまいのは当たり前だろうと言いたくなる。

 そして、B級グルメなどと名乗るものもある。記憶では、田沢竜二さんが最初に、この手のB級グルメ本を出したのではないか。もう10年ちょい前のことだ。

 B級グルメ本では、必ず築地の場内の飲食店が紹介されている。「豊ちゃん」は、築地市場の老舗洋食店だが、前にも書いたけれど、ここの「オムハヤシ」がこれらの本で取り上げられて有名になった。

 さて、今回はB級グルメ本が書かない築地の食べ物のことを紹介しようと思う。素人が本を読んで、期待して築地市場に乗り込む。そして、評判の店で並んで本で紹介されているメニューを注文する。「あれ、こんなものか」「大したことないな」と言う人が多い(実際、こういう声を僕はよく聞く。もちろん、直接にだ)。ちょっと待ってくれ。築地市場内の飲食店は高級レストランではない。場外の飲食店は、町の料理店とは違うのだ。市場だからこその要請に応えなくてはならない。ここを取り違えてもらっては困る。

 築地でラーメンと言うと、「井上」が有名だ。さあ、「食」に興味がある方は手許のラーメン店の紹介本を開いて欲しい。ラーメンなのに、チャーシューが何枚ものっていて、まるで「チャーシュー麺」のよう…なんて解説がないか。そう、この通りなのだ。他の店だったらチャーシュー麺で通る内容のものが、ここのラーメンなのだ。

 「井上」は築地場外にある。市場内のラーメン店ではないが、市場で働く方のためのラーメン店である。先日、年末に築地に出かけた某氏が、ここのラーメンを食べて、「こんなものかと思った」と話していた。おいおい、その通りだが、「こんなもの」が大事なのだ。ここに気づかないで語って欲しくない。

 「井上」にはドアがない。店は歩道に面している。その前にいくつか椅子がある。そして広めの歩道に、ちょっとしたテーブルと椅子があるだけの店だ。混んでいる時は、みんな立ったままでラーメンを食べる。椅子に座っても、仕事があるからさっとラーメンをすすり込む。ラーメンは、スープがたっぷりなので、店で受け取るときは注意が必要だ。

 あなたは、この時気づくだろう。やけどしないように、スープの温度を若干下げていることを。そう、スープの温度を下げざるを得ない「ハンディ」があるのだ。ラーメン店としては、熱々のやけどするようなスープでいきたいところだろう。しかし、スペース等の関係でそれが出来ない。そして、もう一つ重要なことは、市場で働く人にとってもメリットがあるということだ。そう、早く食べられること。これが大事なのだ。

 誤解しないでいただきたいのは、ぬるいわけではないということだ。やけどしない程度にしてあるという点を強調しておきたい。

 さて、味の方だが、醤油味でさっぱりしていてくどさがないものだ。一口食べてうなる絶品ラーメン、満足感にひたれる、月に一度は食べたい…これじゃ困る。毎日食べてもらうラーメンでないと、市場ではやっていけない。ここで毎日のように働く人のためのラーメンだから飽きる味では困るのだ。「井上」のラーメンの味が「こんなもの」であるのは、こういう理由があると思う。市場の店は食通のためにあるのではない。働く人のためにある。

 前にも書いたが、有名な「豊ちゃん」についてもふれておく。この店は場内にある(一般の方も食べることが出来る)。

 有名な「オムハヤシ」。真っ白い皿の上に、炊きたてのご飯が多めに盛られる。その上に、玉子を三個は使っているのではないかと思われる図体のでかいオムレツがのる。オムレツには、上品とは言えぬやや大きめの肉が入っている。その上から、ハヤシソースがどばっとかけられる。付け合わせは千切りキャベツのみである。ハヤシソースは、凝っておらず手を抜いていない抵抗感のないものだ。毎日食べるものだから、「ほどほど」でないといけない。

 これが珍しかったのだろう。B級グルメ本等で取り上げられて、有名になった。今では一部のファミリー・レストラン等のメニューで「オムハヤシ」を見かけることがあるから、一般的になりつつあると言えるかもしれない。

 これを、無愛想なオヤジ連中が一生懸命に作る。職人技としか言いようがない作り方(要は、いつも同じ味だということ)で手早く作られる。

 その他では、ここの「カツ丼」も有名だ。某TV局の貧乏な店を助けるという番組で、「カツ丼」の指導をしたのは、ここの主人だった。「カツ丼」は、肉が厚く、玉子は半熟で、彩りで添えられた三つ葉の香りが食欲をそそるものである。しかし、繊細さはない。

 「豊ちゃん」でも言えることなのだが、美味であるには違いないのだが、飽きるものではいけないということだ。そして、ボリュームがあって味付けは濃いめのものだ。

 築地市場の場内、場外は、市場で働くため通うための方の店である。味のプロが通うのだから、うまいに違いない。これは間違っていない。やや高めの値段ながら、味そのものを追求している店もある。しかし、多くの店は早く食べられて、ボリュームがあって、毎日食べても飽きないという点を考慮している。もちろん、場内(場外であっても)は、スペースに限りがあるから、ゆったりと食べられるような状況ではない。

 食通は、来なくてよい。築地の食べ物を「こんなもの」としたり顔で言う輩には、その手前の銀座で地下鉄等を降りていただきたい。

 築地場内・場外の店は市場で働く方々、ここに通う方々のための店である。おじさん、おばさんが、そういう人たちのために、額に汗して一生懸命に働いて作っているのだ。

 食通なんて来なくていいが…あなたが、元気がないときは、築地に来ることをおすすめする。狭いけど、肩を寄せ合って、元気・活気も一緒に味わおう。

 こう思う…築地に、安っぽいグルメなんて言葉は似合わない。

テーマ:ご当地名物 - ジャンル:グルメ

  1. 2009/06/24(水) 23:09:59|
  2. グルメ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<神代植物園・大温室 | ホーム | 新しい丼ものを考える>>

コメント

NOBUさん おはようございます。

私も若い頃、一時ヤッチャバに身をおいたことがあります。
飽きない事、速く食べれる事・・・それと安いこと・・・オムハヤシ・・・こちらではオムライスは釧路泉屋の名物です。
  1. URL |
  2. 2009/06/25(木) 10:01:12 |
  3. ひげ #-
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 ひげさん、こんにちは。

 ありがとうございます。

 「ヤッチャバ」の響きがいいです。
 東京では大田市場が一番大きいと聞いたことがあります(築地より大きいそうです)。

 本当にそうですよね。 
 毎日の食事ですから飽きるような美味しさだとだめですし…ゆっくり食事はとっていられません。
 「豊ちゃん」の名物はオムハヤシです(カツハヤシもあります)。
 釧路泉屋のオムライス…美味しそうです(ネット検索して写真で見ました)。

 ある方が某サイトで「豊ちゃん」に入って接客が悪いと書いていました。
 それを読んで、まさかと思いました。
  1. URL |
  2. 2009/06/25(木) 21:17:44 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

NOBUさん、こんばんは。
NOBUさんって、色々詳しいんですねぇ。
そして、この文章の多さ。文章書くのお得意なんでしょうか。
私はいつも、「説明が悪い、もっと丁寧に書かないとわからないでしょう」って、
上司(先生)に怒られます(涙)。
文章能力を身につけたいです。。。
  1. URL |
  2. 2009/06/25(木) 23:50:33 |
  3. えこたび #CpB2FMiM
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 えこたびさん、こんにちは。

 ありがとうございます。

 これはだいぶ前に書きました。
 今より少し余裕があったのかもしれません…。

 築地については、幼稚園に通っている頃から足を運んでいます(もちろん、父に連れられて行きました)。
 前に書いたかもしれませんが…昔は、築地市場(場内)にイルカがごろっと転がっていました。
 TV番組「フリッパー」を毎週見ていたので、ショックを受けたことを覚えています。

 文章を書くのは難しいですね。
 僕はとても得意だとは言えません。
 ただ、これを読むと「何か」を書きたかったのだ…と思います(「何か」が伝わるといいです)。
  1. URL |
  2. 2009/06/26(金) 07:07:59 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://movieboxnobu.blog113.fc2.com/tb.php/560-ce50527c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

NOBU

Author:NOBU
【徒然なるままDIARY】にようこそ!

 映画、音楽、カメラ、写真、美術、小説、旅行、グルメ等…好奇心が旺盛です(これだけが取り柄です)。

 相互リンク大歓迎です。よろしくお願いします。
 
 気軽にご覧ください。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する