【徒然なるままDIARY】

映画、音楽、写真(カメラ)、ネコ、旅行、絵画、オーディオ等…作者「NOBU」の興味があることを書きます。

映画好き勝手に書きます・その3

 映画「空気人形」を観る。

 しがない中年男(板尾創路)は、木造アパートに住んでいる。ベッドに空気人形(いわゆるラブ・ドール)が座っている。このわびしさと言うか、孤独感がいい。舞台の湊、月島周辺の描写が素晴らしい。東京でありながら、ファンタジーたりえる異形感と言うか…撮影監督(リー・ビンビン)のキャメラが冴えている。

 空気人形を韓国の女優、ペ・ドゥナが演じる。空気人形は心を持ち、出歩くようになる。フラッと入ったレンタルビデオ店で働くようになる。ここの店員・純一(ARATAが演じる)に好意をもつようになるが…この過程が愛おしく、またとても残酷だ。

 是枝監督の丁寧な演出が光る。最初は、メイド風の衣装を着て街を歩くペ・ドゥナの低めの声に違和感があった。話し方も木訥でメイド的なイメージとはほど遠い(観ている時は韓国の女優が演じている事は知らない)。空気人形は、花を見て綺麗だと言う。子供たちに混じって、公園の砂場で砂団子を嬉しそうに握る。そんな様子が愛おしく…低い声も、木訥なセリフも気にならなくなる。いや、むしろ…それが心地よくなってくる。

 空気人形が出歩くはずがない…ファンタジーの入り口で足を止めてしまう人以外は…この不思議な物語に心惹かれるだろう。心を持つ喜び、哀しみが…静かで美しく残酷な物語の中で語られる。生きる事が愛おしく切なくなる。

 名作、傑作という空気はまとっていない。誰もが大切にしておきたい絵本、おとぎ話的な雰囲気がある。
 
 僕にとって忘れられない作品となった。しかし、誰にでもすすめられる作品だとは思わない。この切ない想いを、心の奥底で大切にしまっておきたくなる…それが、「空気人形」だ。

 またまた好き勝手に書いてしまいました。
 失礼しました。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2011/09/24(土) 09:20:44|
  2. 映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

この世の中、空気人形で居る人が多いのでは・・・・と・・・・。

小さい頃はみんな、心がやさしかったのだろうに・・・。
  1. URL |
  2. 2011/09/24(土) 20:07:11 |
  3. ひげ #-
  4. [ 編集]

ありがとうこざいます

 ひげさん、こんにちは。

 ありがとうこざいます。

 劇中、印象的なセリフがあります。
 「私は空っぽ」

 心をもつと、喜びだけではなく…悲しい事も多いです。
 そうならないように、心がありながら空気人形みたいになっている人がいるかもしれないです。

 心を持ち始めたばかりの頃は…花を見たら「綺麗」と言える素直さがあります。
 
 映画ではありますが…空気人形が心を持って、人間が心を持たないなんて…皮肉な事だと思います。
  1. URL |
  2. 2011/09/24(土) 21:54:31 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

自己RESです

 みなさん、こんにちは。

 空気人形を演じたペ・ドゥナは本当に素晴らしかったです!
 彼女のインタビュー記事を読んだら…よく考えています。
 そして、脚本を読んで…現場で何度も何度も泣いています。
 空気人形の気持ち、登場人物の気持ちに感じるものあって泣いているんですね…。

 形ではなく、心で演技しているからこそ、それが伝わってきたのでしょう。

 ヌード・シーンがあります。
 ハードなラブ・シーンはありませんが…ラブ・ドールを演じるのはイメージを考えると躊躇するところがあるでしょう。

 何が言いたいかと言うと…この役を日本の女優はやらなくてよかったのか…という事です。
 観ればわかりますが…興味本位の性的なシーンは皆無です。監督をはじめ作り手は真摯に映画に取り組んでいます。

 ペ・ドゥナが演じて映画は成功していますが…仮に日本人女優にオファーがあったとしたら…この役を断るのはもったいなかったのではないか…こう思うのです。こんなに素敵な役はないと思います。

 ペ・ドゥナは本当に素晴らしかったです。
 久しぶりに、心からの演技を観たような気がします。

 それでは。
  1. URL |
  2. 2011/09/25(日) 00:50:32 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

映画は 未見ですが  
バレエのコッペリアやぺトルーシュカをイメージしました

殊に ぺトルーシュカは 彼の切なさに共振しました
人であること 心というもの 生きるということ
深いテーマになっていました

NOBUさんのレビューを拝読していると
やはり 演者次第だなぁって思います 
  1. URL |
  2. 2011/09/26(月) 13:09:01 |
  3. 吟遊詩人* #-
  4. [ 編集]

ありがとうこざいます

 吟遊詩人さん、こんにちは。

 ありがとうこざいます。

 「ペトリューシカ」は、わら人形の話ですね。
 心を持った人形が恋を知る物語という点で、「空気人形」と同じです。

 人間は心があることが当たり前です。
 当たり前だと、日常になってしまい…生きる事の意味に気づきません。
 人形に命を吹き込むことで…心をもった喜びや哀しみが浮き上がってきます。

 「空気人形」のキャスティングは絶妙だったと思います。
 いわば、生まれたばかりの赤ん坊と同じですから…言葉は流ちょうじゃなくていいです。
 ピュアな心を表現するのに…まやかしだと、観る側に伝わります。感性豊かで繊細な演者でないと…見透かされてしまうでしょう。

 もちろん…監督の演出、共演者も素晴らしかったですが…撮影監督のリー・ビンビンのキャメラが素晴らしかったです。台湾の撮影監督で、国際的に活躍されています。あの「夏至」の撮影監督をされたんですね…。透明感のある映像を思い出します。

 ありがとうこざいます。
  1. URL |
  2. 2011/09/26(月) 16:51:21 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

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