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【徒然なるままDIARY】

映画、音楽、写真(カメラ)、旅行、絵画、オーディオ等…作者「NOBU」の興味があることを書きます。

すし~仕入の話~

 業界誌を読むと面白い。
 書店の隅の方に分厚い、飲食関係の本があると思う。

 すしロボットの広告に「潤滑油に植物油を使用。万が一身体に入っても大丈夫」とあった。う~ん…こいつは嫌だと思ってしまった。潤滑油が漏れない構造にするのが第一だろう。

 なるほど…ホシザキという大手の厨房設備メーカーがあるのか…「ミオラ」という米飯用の酵素(ご飯がふっくら炊きあがるのだとか)があるのだ、等々。

 飲食業界の原価率は興味深い。すし屋は、40%強~50%程度なのだそうだ。おすしは高いと思われる方が多いと思うが、原価率が高いため、売値が高くなってしまう。
 すし屋(業界)では、昔から「ばいづけ」という言葉がある。買ってきたものを倍の値段で売るという意味だ。お得感のあるお店だと、50%を超えることも珍しくない。東京の話になるが、梅ヶ丘に美登里寿司という人気店がある。ここは、穴子の一本握りで有名になったのだが、原価率は50%を超えるそうだ(業界誌情報)。
 ちなみに、ラーメン店の原価率は20%前後だと言われている。ラーメン店が「当たる」とすぐにビルがたつ。原価率が低いので、当たれば儲けが大きいのだ。

 それでは、すし屋の仕入で何が高いのか…。客からすると、逆に何を食べれば得なのか。それは「マグロ」だ。マグロがもっと安ければ…すし屋の主人、経営者はみんなそう思っているのではないか。

 東京近郊の街のすし屋であれば、キロ8,000円から10,000(以上)はするマグロを仕入れているだろう。銀座の高級店ともなるとキロ25,000円~30,000円はくだらないと思う。

 すし屋が仕入れるマグロは「さく」ではなく、ブロックだ。そのままでは使えない。血合いやスジを取り除く(つまり、キロ当たりの値段はさらにアップする)。
 ブロックとなると、赤身、中トロ、大トロ等…すべて含めての値段である。需要と供給のバランスを考慮すると大トロが高くなるということがわかると思う。

 仮に高級店で扱うキロ30,000円のマグロを考えてみる。歩留まりが90%とすると、キロ当たり33,000円程度となり、100グラムだと3,300円となる(スーパーの牛肉と比較するといかに高いかわかると思う)。一貫のネタは、すしの大きさにもよるが15グラム~20グラムだ。計算しやすいことから、仮に一貫当たりマグロを20グラム使用するとしよう。3,300×20/100=660円である。意外に安いと思われるだろうか?いやいや、これはブロックの値段がベースになっていることを思い出していただきたい。赤身、中トロ、大トロ。ひっくるめて平均の値段だ。

 銀座の高級店では、大トロは一貫2,000円~3,000円だろう。平均をとって2,500円とすると…50%の原価率だと、原価は1,250円だと考えられる。ブロックの平均660円…こうは考えにくい。赤身の部位と比較して、大トロは量が少ない。どう考えても3倍以上の値段をつけないとおかしい。

 660×3=1,980円…少なくとも大トロ一貫に原価はこれだけかかっていると思う(実際はもっとだろう)。

 そう、実は銀座の高級店で一貫2,000円、3,000円の大トロは「バーゲン価格」なのだ。恐ろしい…。すし屋から言わせると、仕入値だけを考えたら、一貫6,000円、7,000円で提供したいに違いない。しかし、これでは食べ物として成立する値段ではない。だから、「ここまでなら許せる」という、2,000円~3,000円としているのだと思う。

 高級店でなくても、キロ10,000円のマグロとなると、一貫当たりの平均の原価(単価)は220円となる。赤身、中トロ、大トロをひっくるめた金額である。利益が薄いことはおわかりになると思う。

 すし屋で元をとろうと思ったら、マグロをひたすら注文すればよい。しかし、よほどのマグロ好き以外はこんな食べ方をしたって美味しくないだろう。

 すし屋の経営は大変なのだ。もちろん、回転寿司やチェーンのすし屋は別である。ここは一括大量仕入が出来るので、原価率は普通のすし屋と違う。

 と、長くなってしまったが、以上、すし屋の仕入の話。

テーマ:お寿司 - ジャンル:グルメ

  1. 2007/09/18(火) 22:11:56|
  2. グルメ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:9
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コメント

すごい!

なるほど~と読んでいました。

難しい話ではありますが、なるほどわかりやすく書いてくれていて、おもしろく読ませていただいていました☆

高級店での大トロ、場所代やおすし屋さんの技術料、、色んなことを考えるとすごくお得なんですね。

昔、まだあんまり世間がよくわからない頃、おすし屋さんで手伝ったりしてたことがありました。仕入れについて行った時も、『(仕入れなのに)魚、高っ!』と思った印象があります。でも、職人さんの思い入れや、技術など、回転寿司にはないよさがありますね。
今は、お寿司を食べに行くなら回転寿司ばっかりですが、子どもがもう少し大きくなって、味がわかるようになったら、カウンターのおすし屋さんに連れて行ってあげたいと思っています。・・・1回くらいは、、ね~(⌒_⌒;

喫茶店が一番原価率が良い(喫茶店を経営したら儲かる)と聞いたことがありますが、それも気になりますね~。

私もいつか、色々調べてみます♪
  1. URL |
  2. 2007/09/19(水) 00:28:05 |
  3. くぅまる #-
  4. [ 編集]

知るたのしみ

こんにちは、NAOです。

僕は、外食産業とかは、親戚、友人をかえしてもまったく縁がありません。
食べ物屋さんの利益なんか考えたことなかったので、非常に新鮮です。

喫茶店なんかは、どんな感じなのでしょうか?教えてもらいたです。
NOBUさんご存知?
  1. URL |
  2. 2007/09/19(水) 11:23:04 |
  3. NAO #bxvF113M
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 みなさん、こんにちは。

 >くぅまるさん
 ありがとうございます。

 すし屋は、原価率が高いので経営が難しいです。
 高級店の大トロが実はバーゲン価格だという意外な事実は、知っている人はいるのでしょうが…だからといって、好んで食べるような値段ではありませんから、あまり話題にはならないのでしょう。
 余談ですが、シンコ(コハダのこども)は、7月下旬から8月上旬にかけて旬になります。築地の初せりでは、シンコはキロ30,000円程度の値がつくそうです。これを、銀座の高級店ではコハダと同じ値段(かなり安いです)で提供します。もちろん、赤字です。江戸前すしの粋と言いますか、はずせないところなのでしょう。

 すし屋で手伝われていたことがあるんですね。仕入れ値は高いでしょう。
 回転寿司は、自由に気兼ねなく食べられます。また、普通のすし屋にはないネタがあります。別種の飲食店として楽しめばいいですよね。いくら名店と言われるようなお店だって、緊張を強いられて黙って食べるようなお店でしたら、うまくも何ともないと思います(こういう店…知っています)。

 喫茶店は、アルバイトをしていたことがあります。
 コーヒー一杯に使う豆は10グラム程度でしょう。街のショップで買うコーヒー豆は200グラム、500円程度です。一杯分は25円になります。もちろん、喫茶店でしたら業務用のルートがあるでしょうから、普通のブレンド用の豆でしたらもっと安いでしょう。

 500円でコーヒーを提供している場合、単純計算で5%の原価率になります。サイド・メニューや、その他をひっくるめると、もう少し原価率は高くなると思います。

 >NAOさん
 ありがとうございます。

 業界誌のコンサルティングのページを読むと、お店へのアドバイスが面白くて、ためになります。

 飲食店の経営は難しいです。テナント料の支払があり、従業員を雇っていると、固定費が発生します。賃料が30万円、従業員の支払が20万円でしたら…単純計算で50万円はかかるわけです。客単価2000円の商売で、原価率が50%でしたら、粗利は1000円になります。50万円を1000円で割ると、500になります。固定費を回収しようと思ったら、最低でも一ヶ月に500人は来店してもらわなければなりません。営業が月25日でしたら、一日に20人は集客しなければなりません。これが最低ラインです。

 喫茶店は、くぅまるさんへのRESでも書いた通り、コーヒー一杯の原価率は5%程度でしょう。サイド・メニューの原価率は、店にもよるでしょうが、20%~30%台ではないかと予想します。居心地のよい喫茶店でしたら、回転率が悪くなります。「売り」のメニューを開発して、集客数や客単価を増やす工夫が必要だと思います(コーヒーは原価率は低いのですが、売価そのものが低いので一人当たりの利益額は大きくなりません)。


 
 
  1. URL |
  2. 2007/09/19(水) 13:06:11 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

ありがとうございました。

僕は、50歳ぐらいあと10年で、
実は、音楽喫茶(JAZZかClassicか日本のフォークか決めてない思案中)なるもの
を淡路島でやりたいと目論んでます。
まだ先ですが、こんな話題に触れることができたので質問させていただきました。
友人に弁護士とか行政書士がいますので教えてくれるとは思いますけど。
  1. URL |
  2. 2007/09/19(水) 19:44:48 |
  3. NAO #bxvF113M
  4. [ 編集]

いいですね

 NAOさん、こんにちは。

 いいですね。
 音楽が好きな方は、JAZZ喫茶や音楽喫茶をやりたいと思う方は少なくないでしょう。
 
 経営面を考えて開業することが、お客さんに対するサービスにもなると思います。
 せっかくいい店でも、続けないことには意味がありません。
 
 僕はまだ行ったことがありませんが、一関の「ベイシー」は一度聴いてみたいです。
 ここは、オーディオ・セットが「売り」になっているのだと思います。
 経営面はよくわかりませんが、音が既に伝説化しています。
  1. URL |
  2. 2007/09/19(水) 22:09:07 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

今晩は!

大変為になるお話ですね。外食の原価は30%位ですが、その中で鮨屋の原価50%ってのは高いですね。マグロの原価は聞いた事あるので、気の弱い私はタマゴ、光物、巻物の間に注文しています。^^;
ホシザキもアメリカに進出していてネタケースの多くはホシザキでした。

アメリカの鮨屋はフュージョン系が流行ってるみたいですね。
クラブみたいなお店で鮨を食べるって雰囲気です。
だから個人的にはJAZZ&鮨ってのも面白いと思います...^^
でもアメリカのマグロ、ウニ等は日本より美味しいかもしれませんね。(冷凍してないので)

  1. URL |
  2. 2007/09/25(火) 23:24:32 |
  3. hidden hide #gCBQAbbg
  4. [ 編集]

アメリカのすし

 hidden hideさん、こんにちは。

 ありがとうございます。
 実家はすし店なのですが…原価率はとてもここでは書けません。
 恐ろしいほど高いのです。
 弟に、ボランティアで仕事しているのか、とクレームをつけたことがあります(僕は店の経理・税務申告をやっています)。

 さすが、アメリカのすし事情をよくご存知ですね。
 僕は、クラブ系のすし屋は入ったことがありませんが、何店かは入りました。

 ニューヨークのグランド・セントラル・ステーション近くのすし屋に入ったとき、ボストンのウニと北海道のウニを一貫ずついただきました。この時、驚いたのは軍艦巻きではありません。ウニを握っていました。真っ白な一枚板のカウンターで、高級なウニをいただく…ニューヨークにいることを忘れました(どちらも、それぞれのよさがあって美味しかったです)。
 弟に聞いたら、ニューヨーク近くでとれた本マグロを仕入れたことがあるそうです。とても質がよくて美味しかったそうです。

 hidden hideさんが書かれているように、アメリカのウニ、マグロは美味しいと思います。
  1. URL |
  2. 2007/09/26(水) 21:17:54 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

今晩は!
鮨の事はよく分からないですが、アメリカで食べるボストンからのマグロは冷凍してないので良いと聞いてました。
ウニは私は西海岸だったのでメキシコ産が多かったです。
北海道のウニを食べれる様になりたいです。^^;

ニューヨークのすし屋は高級店が多いですね。
一人$1000以上って店が結構ありますね。(もちろん行ったことありません^^;)

でも本当に実家が鮨屋ってのは羨ましいです!
  1. URL |
  2. 2007/09/27(木) 23:30:13 |
  3. hidden hide #gCBQAbbg
  4. [ 編集]

1000ドルのすし…。

 hidden hideさん、こんにちは。

 ボストンのマグロは美味しいでしょうね。
 ウニはとても美味しかったです。
 カリフォルニア米が美味しいですし、マグロが美味しければ、おすしはバッチリです。

 メキシコ産のウニですか。興味があります。すしネタはワールドワイドですね。

 ニューヨークに1000ドルのすし屋があるのですか…絶句します。
 ニューヨークは、世界の「ピン」がある街です。すしの世界でもピンがあるんですね。
  1. URL |
  2. 2007/09/28(金) 22:00:08 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

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