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【徒然なるままDIARY】

映画、音楽、写真(カメラ)、旅行、絵画、オーディオ等…作者「NOBU」の興味があることを書きます。

リアル・夢の国

 家内はディズニー・ランドが嫌いではなかったが…特別に好きというほどではなかった。
 家内が友人と一緒にディズニー・ランドに行った時の話を後から聞いた。

 ミッキー・マウスがやってきたそうだ。
 そこにいた観客はみな嬉しそうに「ミッキー!」と言ってハグしていたとのこと。
 ところが家内はそういうのが苦手で、ミッキーがハグしようとしたところ腰が引けたのだろうか…身体が拒否反応を示したそうだ。すると、ミッキーも腰が引けるというかハグを戸惑ったとのこと。

 この話を聞いて、僕は笑ってしまった。
 「ディズニー・ランド」は楽しいと思うが…家内のような人もいるのだ。

 「ディズニー・ランド」や「ディズニー・シー」は夢を大切にしている。
 ミッキーやミニーはあのキャラクタであって、観客の夢を壊してはいけないそうだ。

 しかしな…と僕は考える。裏方は大変だと思う。




 遊園地の一番人気のキャラクタが午前中の演技を終えて楽屋に帰る。
 猛暑で着ぐるみ内は大変なことになっている。

 中年の小柄な男性が着ぐるみの頭部と上半身を脱ぐ。
 「あぁ…暑い暑い。やってらんないよ」と汗だくの頭と上半身を厚手のタオルでぬぐっている。

 ベンチに腰掛け足を組んでタバコを吸う。
 脇にはかわいらしいキャラクタの頭部が置いてある。頭部に肘を置き、美味しそうにタバコの煙を吐く。

 楽屋に大人気キャラクタのガールフレンドが入ってくる。
 足取りが重い。

 重そうに着ぐるみの頭部を持ち上げる。
 メガネをかけた長髪の青年がフーッとため息をつく。
 メガネは曇っていて顔は汗まみれだ。

 「シゲさん…今日の客はしつこいですね」青年はタオルで汗をぬぐいながら言う。
 「ああ、そうだな。俺なんか小学生にずいぶん追い回された。中には腹を蹴るやつがいる」
 「そうなんですよ。僕なんか頭の中に手を入れられそうになりました」

 二人とも窓のない楽屋でベンチに腰掛けている。
 エアコンがきいているので青年のメガネの曇りはとれてきた。
 遠くでにぎやかなマーチ(の音楽)が聞こえてくる。

 「サトウ君は何を食べる。弁当を頼んでいるか?」
 「僕はコンビニでおにぎりを買ってきました。今日まで一個100円なんですよ」
 「そうかい。じゃ、俺はちょっと外に食べに行ってくる」

 青年は楽屋でぬるくなったペットのお茶を飲んでおにぎりを食べている。
 下半身はまだ着ぐるみのままだが汗がひいて落ち着いたようだ。

 中年は着ぐるみを脱ぎ、地味な薄手のシャツを着て外に出た。
 従業員口から遊園地の外に出る。

 遊園地の入り口は私鉄駅のすぐ前だ。
 駅の改札脇にちょっと洒落たカフェがある。

 中年がいつもの定食を食べていると隣席の家族連れがにぎやかに話していた。

 「ミッチー可愛いね」と女の子が言う。
 ミッチーの帽子をかぶった男の子が「僕はニミーが可愛いな」と言う。
 母親が笑顔でそのやりとりを見ている。

 中年は定食を食べ終えると無言で席を立った。
 「俺がミッチーだと言ったら彼らはどう思うだろうな…」

 楽屋に戻ると青年は着ぐるみをかぶって準備をしていた。
 「シゲさん、今日もいつものですか」
 「ああ、そうだ。今日はご飯が美味しかった」
 中年は着ぐるみを着て立ち上がった。

 2人は楽屋から出て行くと…ステップが軽やかになった。
 腰をふり、手を大きく振って歩く。

 彼らを見つけた子供達が笑顔で「ミッチー」「ニミー」と声を上げて駆け寄ってくる。
 着ぐるみの中は急激に温度が上がった。
 2人とも顔から汗があふれ出す。

 子供たちと握手して抱き寄せる。
 子供はみんな笑顔だ。

 そんな子供たちを見て…汗だくになりながら…中年も青年も笑顔だ。

 「僕らは夢を売っているんですね」
 「ああ、そうだ。それが俺たちの仕事だ」

(以上、前半はノンフィクション、後半はフィクションです。失礼しました)

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2010/07/31(土) 21:51:20|
  2. 雑談
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:14
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コメント

幼少のころ、ディズニーではありませんでしたが、何かのパレードで、
着ぐるみを着た熊にハグされそうになり、思い切りおびえて祖父の股間に潜り込んだ記憶を思い出しました。
子供でも、あれは好き嫌いが分かれるような気がいたします。

欧米文化は、視覚的な擬人化が得意ですよね。
個人的に微妙だったのは、『指輪物語』を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくる木の種族。
小説の中では、木のような姿かたちはしているものの、決して擬人化ではない、樹木の精霊のような生き物だったのに、
映画化されたとたんに、ただの「人間になりそこなった木のお化け」になりさがってしまったのが、ひどく残念でなりませんでした。

ディズニーは個人的に、ちょっと苦手です。
さあ笑えといわれても心から笑えないように、
さあ楽しめといいわれても、・・がんばって楽しむ、というのはかえって失礼な気もして、悩ましいところです。
  1. URL |
  2. 2010/07/31(土) 22:44:49 |
  3. ささめ #3KrfhFaQ
  4. [ 編集]

光景が・・・^^

こんばんは~

ノンフィクションもフィクションも、映画のように見えてきました^^

フィクション部分は大いに有り得る話です i-179i-178
  1. URL |
  2. 2010/07/31(土) 23:06:08 |
  3. きつつき #bBmFigmc
  4. [ 編集]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. |
  2. 2010/07/31(土) 23:09:18 |
  3. #
  4. [ 編集]

フィクション、本当の出来ごとのようでしたよ~
正しくこんな感じでしょうね~ディズニーに関しては多分中は
若者だとは思いますが、イベント等はNOBUさんのシナリオ通りかもね~(笑)
  1. URL |
  2. 2010/07/31(土) 23:57:34 |
  3. 星峰 #rdwG4C.k
  4. [ 編集]

とても

よいお話ですね。

虚も実も無く、よいお話です。

胸があつくなりました^^
  1. URL |
  2. 2010/08/01(日) 02:05:07 |
  3. ねじ屋 #BFeQxfwk
  4. [ 編集]

ブラボー!!。

にっこり笑えました・・・。笑)
  1. URL |
  2. 2010/08/01(日) 06:52:10 |
  3. ひげ #-
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 みなさん、こんにちは。

 >ささめさん

 ありがとうございます。

 何だか世の中の誰もが「楽しんで当たり前」「笑顔でハグ」というのは妙な感じがします。
 大きな着ぐるみに恐怖を覚えるのが子供でしょうね。
 今は情報があふれています。その中で「楽しい」と思えればいいでしょうが…「楽しくて当たり前」というのはおかしいと思います。

 小説を映画化するとイメージに制約が出来ます。
 違和感なくかつ意外性をもたせることが重要だと思いますが…ここは難しいところでしょうね。

 僕はディズニーは嫌いではありません。
 年間パスポートを買って通うというほどではありませんが、アトラクション等は楽しいです。
 夢の世界にどっぷりつかる前に楽しませるプロの技を感じてしまいます。
 「ディズニー的なもの」が普遍的ではなく…エンターティンメントの一つなのだ…これですよね。

 >きつつきさん

 ありがとうございます。

 ミッキーやミニー、ドナルドらのかわいらしい仕草、明るさを目の前にすると…キャラクタを演じている人はきっとたくさん汗をかいて頑張っているんだ…などと思ってしまいます。

 家内は感情を表に出す人でしたが…「ミッキー大好き!」という感じではありませんでした。
 ちょっと引いて見るところは僕と同じだったような気がします。

 >星峰さん

 ありがとうございます。

 着ぐるみの中は若者でしょうね(あの激しい動きです)。
 僕は頭部が薄くなったベテランがミッキーの着ぐるみを脱いでニコッとする姿を想像します。明るい若者じゃないからこそ…深みがあると言いますか…意外な感じがして面白いと思います(実際は違うでしょう…)。

 ご存知だと思いますが、観客にそのような姿は絶対見せないそうです。
 プライベートで自分が着ぐるみに入っていることを口外していけないと聞いたことがあります。
 ここまでコントロールしないと「夢」は見られないのでしょうね。

 >ねじ屋さん
 
 ありがとうございます。

 何事もプロフェッショナルはすごいと思います(その反面、大変だと思います)。
 明るくて楽しいディズニーの世界は、その裏の「汗」を見せません。

 観客はそれでいいんですよね…。
 安くないお金を払ってしっかり楽しみます。
 僕はディズニーの経営に関する本を何冊か読んだことがありますが…裏の努力は半端ではありません。
 そこに「すごさ」を感じますが…一般的ではないでしょうね。

 >ひげさん

 ありがとうございます。

 ひげさんは楽しませるプロフェッショナルでいらっしゃいますね。
 「プロ」の技、努力のすごさを思います。

 「ミッキー」等のキャラクタはいつ接しても同じです。
 決して観客の期待を裏切りません。
 プロは見えないところできっと大変な思いをしていると思います(それを表に出さないのがプロならではでしょう)。
 僕はそこに興味をもってしまいます。
  1. URL |
  2. 2010/08/01(日) 09:00:54 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

とても

楽しく読ませて頂きました。

10年ほど前にUSJへ行った時のこと(友人たちと行きました)
入り口のゲートを通ると、シュレックと若い女性が並んで写真を撮ってもらっていました。

若い女性はとてもチャーミングな人でした。
シュレックは女性の肩に手を回していました。

私も記念にと思い若い女性の後で友人に写真を撮ってもらうことにしました。
すると、どうでしょう!!
私の肩に手を回すこともなく、ただ一緒に並んだだけで終わりました。

着ぐるみの中は若い男性か、中年の男性か判りませんが
オバチャンでは・・・・・だったのでしょうか(笑)

後日、同年代の友人にこの話を聞かせたら
大笑いされてしまいました。(笑)
  1. URL |
  2. 2010/08/01(日) 10:12:49 |
  3. アコ #2jqmHG1U
  4. [ 編集]

小説みたいで、とっても楽しかったです。ありがとうございました。

苦手な人もいるんですね…。私はもう一度行きたくて、
でも行かれないので、テレビにでてくると、
せつなくなってチャンネルを変えてしまいます…。

中学生になった姪は、まだサンタさんも信じているので、
これはjまだ見せられません…。f^-^;
  1. URL |
  2. 2010/08/01(日) 16:35:51 |
  3. ほのか #-
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 みなさん、こんにちは。

 >アコさん

 ありがとうございます。

 USJは僕もだいぶ前に行ったことがあります。
 シュレックと一緒に写真を撮られたとのこと。

 なるほど…これ、素直に頷けない対応ですね。
 若い女性はこういうのに慣れている雰囲気があったのかもしれません。

 着ぐるみの中はどうなっているのでしょうね…。
 誰がどんな訓練を受けて入っているのかとても興味があります。

 >ほのかさん

 ありがとうございます。

 アップした記事はノーマル・バージョンで、実は僕の頭の中には(そうたいしたものじゃありませんが…)、ダークサイドのミッキーを描くストーリーがあります。これ…夢を壊すどころかかなりブラックなので自主規制しています。

 また足を運べるといいですね。
 僕はもう5年以上訪れていません。
 いつか家内に「ディズニー・ランドにでも行こうか」と言ったところ、「友だちと行ったからいい」と言われました。
 一人で行くのも何なので、僕はもっぱらCMかテレビ番組の特集等でディズニー・ランドを見ています。

 サンタクロースを信じられることは…子供の特権ですね。
 中学生でサンタというのは素晴らしいです。
 僕でしたらもっと曲がった想像をしていると思います。
  1. URL |
  2. 2010/08/01(日) 21:20:49 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

こんばんは

まだ一度もネ○ミーランドに行ったことありませんw
今はなきサイキック青年団ではよくランドの住人の事をネタにしていましたねww
「あくまで我々の妄想です!」と、笑いながら喋っていたのが懐かしい
それもダークサイドの住人としての話題wwww
アレは着ぐるみではない!あのようないきものなんだ!と笑って喋っていましたwww
ランド未体験の私はそれを聞いて来るべき日に備えていました(^皿^) 
 
  1. URL |
  2. 2010/08/02(月) 03:15:36 |
  3. 松本麗香  #N.vW.TCs
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 松本さん、こんにちは。

 ありがとうございます。

 サイキック青年団で話題になっていたのですか。
 あの明るさ・楽しさは、ちょっと突っ込みを入れたくなりますね。

 僕が読んだ本によると、ランドにはまた来たくなる仕掛けがたくさんあるそうです。
 子供だけでなく大人もはまってリピーターになるのは偶然じゃないんですね。
 ディズニー(オリエンタルランド)の戦略と言いますか…仕掛けがあるわけです。

 着ぐるみではない…あのような生き物なのだ。
 着ぐるみの裏を感じさせません。この説…信憑性があるような気がします…。

 是非、ランド(シーも含めて)を体験されて…裏の仕掛けをチェックしてください。
 松本さんも楽しめると思います。
  1. URL |
  2. 2010/08/02(月) 10:31:43 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

すごいですね!

物語を一気読みしました(^-^)
後半はフィクションだったのですね。
ディズニーランドには枯れた花は無いそうです。前に舞台裏のTv番組でやってました。それぞれがみな、エンターティナーなんですね。
私がぬいぐるみでもサインを貰って感激したのはディズニーワールドに行った時です。いつかもう1度行きたいけど…もう無理かも(笑)奥様はてれやさんだったんですね(^^)
奥様を思い出して寂しくなる夏でしょうか…大丈夫ですか?
少し心配です。
  1. URL |
  2. 2010/08/04(水) 21:18:37 |
  3. 京卯子 #Wbk1lLzE
  4. [ 編集]

ありがとうございます

 京卯子さん、こんにちは。

 ありがとうございます。
 すみません…地味なお話しにお付き合いいただきました。
 
 確かにディズニーランドを思い出して…枯れている花を見たことがありません。
 ここも気をつけているのですね。

 キャラクタ(ぬいぐるみ)でもサインをもらうとやはり嬉しいのでしょうね。
 家内は照れ屋と言いますか…結構リアルに見るところがありました。
 批評家なので、引いて見る習慣があったのかもしれません。

 思い出して涙を流すのはしょっちゅうです。
 かっこ悪いですが本当のことす。
 それでも、前を向いて歩かなければなりませんね。
 頑張ります。
  1. URL |
  2. 2010/08/04(水) 22:08:55 |
  3. NOBU #bf2PXrYQ
  4. [ 編集]

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